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インバウンド ■第2553号《2010年3月13日(土)発行》
アウングローバルなどが中国人富裕層の集客対策を伝授
海外マーケティング支援のアウングローバルマーケティング(東京都文京区、橘川徹也社長)と中国人インバウンドマーケティング支援の富士(東京都港区、眞柄泰利社長)は5日、「中国富裕層ビジネスと中国WEBマーケティング活用事例セミナー」を共催した。
業界を問わず東京・文京区のセミナー会場に集まった参加者は約60人。そのうち約2割は、宿泊施設、旅行会社、航空会社だった。
第1部では、東洋学園大学の朱建榮教授=写真=が「チャイナ・アズ・ナンバー2 世界第2の経済大国の行方」と題して経済発展めざましい中国と中国人富裕層の現状を解説。
第2部では富士の眞柄社長が「巨大中国市場へのアクセス事例・HI日本の取り組み」を、第3部ではアウングローバルマーケティングの宮崎正執行役員が「中国におけるWEBマーケティング戦略と事例」をそれぞれ講演した。
朱教授は「中国経済の成長スピードは速すぎる。8年前のGDPは日本の4分の1だったが、昨年ほぼ追いついてしまった」と話した。その上で「この勢いはあと10年から15年は止まらないだろう」と断じた。また今年前半にも人民元が米ドルに対して3〜5%切り上げになる可能性にも言及。85年のプラザ合意後の円高で日本の経済規模が米国の経済規模に近づいた例を挙げ、「同じことが中国でも起きる可能性がある」と指摘した。
朱教授は中国の人口約13億人を4つの所得階層に分類して解説。1日1米ドル以下の収入で暮らす6千万人の「貧困層」、食べるのに困っているわけではないが生活に全く余裕のない7億人の「低所得者層」、5億人超の「中間層」、1千万人の「富裕層」に分類できるという。中間層はさらに、際だって豊かなわけではないが中流意識を持っている3.1億人の「中産層(中産階級)」と、高層住宅などある程度の資産を持つ残りの「中流層」に分けられるという。
1千万人の富裕層は、世界のセレブレベルの生活水準であり、欧米の超高級品など欲しい物は何でも手に入る層。従って日本人が行っているたいていのビジネスのターゲットにはならない、狙うべきは5億人超の中間層であるとした。この5億人の特徴は「品質と合理的な価格を求める人々」であり、日本の一般消費者と全く同じと考えてよい。この分野は「日本が最も得意とするマーケットだ」と説明した。
さらに、富裕層、中間層は沿海部にしか住んでいないというのは過去の話であり、沿海部と同様に内陸部にも目を向けなければならない、と述べた。
宿屋塾、外客集客でセミナー開催
仙景の津田さん
宿屋塾(近藤寛和社長)は5日、第118回宿屋塾セミナー「ホテル旅館のインバウンド・マーケティング〜たったこれだけですごい効果が 外国人客の集客ともてなしのチェックポイント」を東京都新宿区の東京YMCA国際ホテル専門学校で開いた。
講師はインバウンドWEBプロモーション会社、オーエイチの有馬孝行チーフディレクターと、観光経済新聞で「おもてなしの英会話」の連載を担当しているサービス産業向け英会話トレーニング会社、イングリッシュOKのジョン・レイナー氏が務めた。
レイナー氏は外国人視点から見た優れた外国語ホームページのポイントとして、(1)トップページにインパクトがあること(2)フラッシュや動画などを使わず各ページの読み込みスピードが速いこと(3)簡潔な文章で旅館ホテルのアピールポイントが書かれていること(4)全ページに予約画面への導線か予約用のボックス(モジュール)を配置していること──の4点を挙げた。
また、オーエイチがインバウンド集客をコンサルティングし成功している旅館、箱根湯本温泉・仙景の女将、津田まり子さんが、同館での具体的な取り組みについて講演した。仙景は和室15部屋、洋室10部屋の小規模旅館。昨年1年間に受け入れた外国人宿泊客は全宿泊客の22.4%に達する。
海外エージェントとは特に契約しておらず、インバウンド客のほとんどは2人単位の個人客。4年前に英語版ホームページをリニューアルし、海外誘客への取り組みを本格化した。評判が評判を呼び外国人客比率がみるみる増加。「インターネットと外国人クチコミの威力を思い知らされている」(津田さん)という。
日本人宿泊客の予約の間際化が進行する中で「前広に予約が入る外国人宿泊客は、従業員の勤務シフトや食材の仕入れの確定でも大変助かっている。連泊も多く、洋室に1週間滞在するケースも珍しくない」と話した。
外国語対応については「英語ができるスタッフは1人だけだが不自由はしていない。従業員には日本人客に対する接客と同様、親切に接することを常に心がけるようにとだけ話している」と述べた。また「旅館は日本文化を継承している数少ない施設。外国人に日本の伝統文化を体験してもらうことに喜びを感じている」と語った。
道銀、台湾人旅行者向けサービス開始
北海道銀行(本店・札幌市)はこのほど、台湾の銀行が加盟するネットワークシステムを運営する「台湾FISC」と提携し、台湾の加盟銀行が発行するICキャッシュカードによる現金引き出しサービス、買い物などに利用できるデビット決済サービスの提供を始めた。これらサービスは国内初。
サービスは1月27日から開始した。台湾からの観光客は現金を持ち歩くことなく、買い物などを楽しむことができる。現金を引き出すことのできる専用ATMを札幌市内など4カ所に設置。デビット決済の端末は札幌市内や主要観光地のホテル、百貨店、ドラッグストアなど65カ所に設置した。
台湾から北海道への観光客は年々増加し、2007年には28万人を超えた。08年夏以降、世界金融不安や円高の影響を受けてはいるが、来道外国人のトップで33%を占める。今回のサービス開始は観光客の利便向上につながり、誘客拡大による地域経済の活性化に期待も大きい。
1月27日には、札幌市内のホテルで提携記念式典が開かれ、日台の関係者が多数出席し、高橋はるみ知事や上田文雄札幌市長も駆けつけて提携を祝った。
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