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ビジネス ■第2575号《2010年8月28日(土)発行》
村尾・施設協会前会長が宿泊業の展望語る シニアマイスターセミナーで
NPOシニアマイスターネットワーク(作古貞義理事長)は18日、第33回産学ジョイントセミナー「宿泊産業における景観・環境問題」をリソースインターナショナルの会議室で開いた。
講師は国際観光施設協会前会長の村尾成文氏。この中で同氏は「バブル期には85兆円近くに達していた建設投資は縮小して行かざるを得ない。欧米先進国並みにGDP比10%以下にまで縮むこともありうる」と指摘。
その上で「こうした成熟した先進国へのシフトの中で重要なものの1つに観光産業の確立がある。人々の喜びの充足を基本とする観光産業は、ハードの領域からソフトの領域にいたるまで幅広い領域を包含している産業。同時に、美しく豊かな自然や含蓄の深い歴史、魅力的な文化、生活環境を含めたものであり、欧米先進国では基幹産業の1つだ」と話し、国内産業成熟化の当然の帰結として観光産業の基幹産業化が実現するとの認識を示した。
宿泊施設ついては「旅館とホテルといった業態区分の固定化が失われるのに従って、共通の観光市場を対象にした業態間の競争は今後も激しくなってゆくことが予測される」などと話した。
さらに「日本では、近代化と共に移入された西洋起源のホテルと、伝統的な宿泊施設である旅館が、それぞれに独自の発展をしてきているが、宿泊収容能力がきっ抗するようになるに従って、この2業態は相互に影響を与えるようになってきている」と説明。
具体的には「旅館は大型になるに伴ってホテルの方式を様々な分野で取り入れ始めている。フロントカウンターの設置と上下足履き替えルールの変更、泊食分離化、部屋食の減少とレストラン化、客室プライバシーの確保とバスルームの設置、さらに客室に畳だけでなくベッドを設けることも少なくない。管理システムにも、ホテルで発達したシステムの導入が始まっていると聞く」「逆にホテルでは、和風客室を設けるのは以前から行われている。さらに旅館で培われたノウハウを導入する動きがある。例えば、客室の浴室の快適度をあげるとか、大浴場や露天風呂を設けるといった例も出てきているし、旅館のサービスを代表する女将や仲居のあり方を取り入れようとする例も出てきている」と解説した。
最後に「旅館とホテルの業態ミックスが進むのは当然のことであり、望ましいとも言える。訪日外国人のためのホテルと国内客のための旅館といった観念からの脱却はとっくに始まっている」と結んだ。
ティー・ゲートが自治体向けセミナー
熱心にメモをとる参加者
ティー・ゲートは20日、東京都千代田区の全国町村会館で、自治体の観光振興担当者を対象とした無料セミナー「着型観光セミナー」を開いた。観光圏での観光地域振興に取り組む地元関係者らが、取り組みの経過などについて講演。参加した約90人の自治体の関係者らは、熱心にメモを取りながら自地域の現状と照らし合わせていた。
自治体向けセミナーは昨年12月、今年5月に続き3回目。今回は、セミナーテーマに「着型観光とプラットフォーム」を設定。交付を受けていた補助金がなくなっても着型観光の取り組みを進められるような態勢づくりについて観光庁の笹森秀樹・観光地域振興課課長が「観光地域づくりフラットフォームについて」、雪国観光圏の事務局を務める井口智裕・越後湯沢HATAGO井仙代表取締役が「着型観光プラットフォームとしての雪国観光圏の取り組み」をテーマに講演した。
このうち井口氏は雪国観光圏のネーミングや旅行商品のフォーマットの参加地域間での統一の狙いなどを説明したほか、圏域内旅行商品の販売インフラについても、同観光圏の手数料の収受やウェブ上の管理システムの仕組みを紹介。「販売インフラを統一すれば、地域に関係なくどこでも同じように利用できる。ぜひ他の地域でもこのインフラを使ってほしい」と強調した。
参加者からは、「自分の地域では『ダメな観光地の取り組み』として挙がった事業ばかり行っており、考えさせられた」「当県では講演にあったような先進的な取り組みまでの道のりは長いが、他の部局とうまく連携を取って実現できれば」などの感想が聞かれた。
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