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旅館・ホテル ■WEB増刊号《2011年7月30日(土)発行》  

宿泊施設売上高、3〜5月は3割減に

 東日本大震災、原発事故の発生に伴い、旅館・ホテルの3〜5月の売上高は、前年同期と比べて全国平均で約3割減、東北エリアでは約5割減、関東エリアでは約4割減だったことがこのほど分かった。原発事故の賠償の指針づくりを進めている政府の原子力損害賠償紛争審査会の中で報告された調査結果。中小規模の施設、外国人を主な顧客としている施設ではさらに厳しい状況とみられている。

 調査結果は審査会が任命している観光分野の専門委員が14日の会合に提出した。審査会の資料として活用される。報告に記載された売上高の減少などが、損害賠償の対象と認められたわけではない。風評被害などの原子力損害の賠償範囲に該当するかどうかは、7月末にまとめる中間指針に照らして判断する必要がある。

 旅館・ホテルの売上高の調査結果は、日本観光旅館連盟、国際観光旅館連盟、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会、全日本シティホテル連盟、日本ホテル協会を通じて実施したアンケート調査に基づく。全国567軒から回答を得て集計した。

 3〜5月の売上高は全国平均で28.2%減だった。月別では3月が32.5%減、4月が31.5%減、5月が21.7%減。震災以降、全国的に売上高が減少し、特に外国人旅行者を主要な顧客としてきた旅館・ホテルで「かつてないほどに大幅な減少」がみられると指摘。また、「回答施設は比較的規模が大きく健全に経営されている旅館・ホテルで、中小規模の状況はさらに厳しい」と推測している。

 エリア別にみると、東北エリアの3〜5月は50.2%減で、月別では3月が59.3%減、4月が56.2%減、5月が36.4%減だった。売上高には、避難者や復旧関係者の利用による売り上げも含まれているため、被災県であっても減少幅が小さかったり、月によっては前年より増加したりした状況もみられる。

 東北エリアに続いて影響が大きいのは関東エリアで3〜5月が38.3%減だった。月別では3月が43.9%減、4月が43.5%減、5月が29.2%減。特に栃木県では3〜5月で58.7%減と落ち込みが目立つ結果となった。

 全国的な売上高減少に対して、原子力損害の賠償範囲がどの程度になるかは、審査会の示す指針が目安になる。5月に決定した第2次指針では、観光分野の風評被害について福島県内の観光業者を賠償の対象範囲として認めたが、福島県外の観光業者については未定。具体的な賠償の判定方法などは今後の指針の中で示される見通しだ。  



KNT中部観光産業推進協、誘致会議で東北応援
東北のブースも出展

 近畿日本ツーリスト(KNT)と契約する宿泊施設や観光施設などでつくるKNT中部観光産業推進協議会(会長=堀泰則・ひだホテルプラザ社長、378会員)は14日、東京都墨田区の東武ホテルレバント東京で、中部6県1地域の観光素材の紹介とKNTグループ社員との情報交換を目的とした観光誘致会議を開いた。今回は堀会長の声掛けにより、東日本大震災で会員が被災した近畿日本ツーリスト協定旅館ホテル連盟(近旅連)東北連合会も参加。ブース出展などで「東北の元気」を発信した。

 同誘致会議は14回目。富山、石川、福井、岐阜、愛知、三重の各県と静岡県浜名湖地区から同協議会会員約150人、KNTグループからは吉川勝久KNT社長はじめグループ社員ら約1140人が参加した。

 誘致会議では、各県が美しい映像や工夫を凝らした壇上パフォーマンスで今夏以降の見どころを紹介。近旅連東北支部連合会の渡邊和裕会長ほか各県支部長も登壇し、地域の現状を説明した。

 会議冒頭では堀会長が「各支部手作りのプレゼンテーションとブース展示の情報を生かして、送客につなげてほしい」とアピール。これに対し吉川社長は、「今は発地、移動、着地それぞれのニーズを融合していくことが求められている。旅行会社、運輸機関、宿泊・観光施設が『ウイン・ウイン・ウイン』となるよう、関係を発展させていこう」と述べ、送客拡大への意欲を示した。

 懇親会では、各県、地域が自慢の食材を持ち寄り、合計2600食のご当地グルメを提供。和菓子づくり体験を行った石川県や地酒を振る舞った富山県などと並んで、KNT国内旅行部の協力を受けた近旅連東北連合会が牛タン焼きなどを提供した。



ベネフィット・ワン、個人向け福利厚生サービス開始
白石社長

 福利厚生業務アウトソーシングサービスのベネフィット・ワン(東京都渋谷区、白石徳生社長)は14日、個人向け福利厚生サービス「モラエル」を始めた。個人向け福利厚生サービスの提供は業界初。

 入会すると、全国の宿泊施設や飲食店、レジャー施設などが提供する各種サービスを会員特別価格で何度でも利用できる。例えばレストラン飲食代50%引き、宿泊代30%引きなど。また年会費と同額以上の無料利用券がもらえる。例えば1万8千円のホテル宿泊や2万円のエステが無料になる。

 会費月額998円の年間契約制。20歳以上なら誰でも入会できる。

 サービススタート時の提供プラン数は500社・1千プラン。これを2012年4月までに1千社・7千プラン、会員数15万人まで拡大する。3年後までに会員数100万人を目指す。

 ベネフィットワンは、企業の福利厚生業務アウトソーシングサービス会社の最大手。受託企業数4033団体、総会員数549万人を有する。会員に対して15万プラン以上の福利厚生メニューを現在提供している。

 新サービスのモラエルでは、個人で会費を支払うことで、これまで所属企業・団体が福利厚生会社と法人契約を結んでいなければ受けることができなかった各種サービスメニューを個人でも利用できるようにした。

 同様の福利厚生サービスを手がける会社には、リラックス・コミュニケーションズ(サービス名「リロクラブ」)、JTBベネフィットなどがあるが、個人向けサービスの提供は同社が初めて。

 宿泊施設や飲食店などが、モラエルに参加することのメリットについて白石社長は「グルーポン、ポンパレに代表されるフラッシュマーケティングでは、常に一時的な集客しかできないが、モラエルでは閑散期や空白の時間帯を埋めることができる。サービスのアウトレットモールとして上手に活用していただきたい」と語った。



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