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地域観光 ■第2620号《2011年8月13日(土)発行》    

大震災から5カ月、東北観光復興の動きを追う「宮城県」
7月24日に行った新露天風呂のオープニング式典

 7月24日、南三陸ホテル観洋(宮城県南三陸町)で露天風呂がリニューアルオープンした。地上5階建ての同館は、志津川湾を間近に望む1階の露天風呂はじめ2階まで津波で浸水したことから、震災直後から露天風呂の再開のために準備を始めた。壊滅状態の南三陸町で職人を集めるのは容易ではなかったが、普段通りの営業態勢にいち早く戻すことが、地域を元気付けるとの同館の考えに共鳴した職人の協力を得て、夏休み前半の再開にこぎつけた。

 津波で壊滅状態となった同町の中で、高台にあることから全壊を免れた同館には、震災直後から多くの被災者が避難。5月5日の600人を最高に8月4日時点でも400人以上が身を寄せるが、仮設住宅のめどが立ったことから8月中には避難所としての役目を終える予定。7日には避難している住民による同館スタッフへの感謝イベントも開かれた。

 露天風呂のリニューアルに合わせ、創業39周年記念の宿泊プランを発表するなど、旅館としての営業活動も再開した。同館女将の阿部憲子さんは「(町からの)人の流出が止まらない上、多くの商店も廃業し、これでは町の復興はままならない。民間事業者であっても町の活性化のためにできることをやるのが大事」とした上で、「多くの人に来てもらい今の町の姿を見てもらうのが一番の支援になる」と強調する。人の集まる場だったスーパーマーケットなども被災したため、同館では被災者の癒しの時間として行ってきたコンサートや子供向けイベントなどを今後も継続的に行い、町民が集う場としての役目も果たしたいと考えている。

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 沿岸地域にありながらいち早く観光客の来訪を呼び掛け始めた、日本三景の松島。夏休みに入り大型観光施設の駐車場には茨城や千葉ナンバーの観光バスも並ぶが、「観光客の入り込みは例年の4分の1程度。道路の渋滞もない」(松島観光協会)のが現状だ。津波の被害によりシャッターが閉まったままの店舗も目につくが、7割ほどの店舗では従来同様に従業員が元気に呼び込みの声を上げる。同協会では「いにしえからの松島の美しい風景は、巨大地震を受けても変わらない。ぜひ多くの方に足を運んでほしい」と訴える。

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 蔵王連峰のふもと、400年以上の歴史を持つ遠刈田温泉(蔵王町)。仙台市から1時間弱の同温泉は、同県の湾岸部や県外各地から多くの観光客が利用してきた。このうち「かっぱの宿旅館三治郎」(大宮幸博社長)では4月下旬から通常同様の営業を行っている。行政の支援の下、避難所として被災者の受け入れを行うことも選択肢の1つだったが、同館では観光、温泉目的の一般客の受け皿になることを選んだ。「先祖から受け継いできた旅館と、従業員の雇用を守るための判断」と大宮社長。原発事故の影響などで首都圏などからの客足が遠のき苦しい状況が続いたが、5月の連休には津波で家を流されたという得意客も宿泊に訪れた。「自らも厳しい状況なのに常連さんはわざわざ来てくれた。旅館を長年やっていて初めてお客さまが来てくれるありがたさの本当の意味を知った」(大宮社長)。

 夏休み期間の予約は常連客中心の集客で例年の8割超程度まで回復したが、秋以降の客足は見えない。だが「遠刈田の温泉で癒されたいというお客さまのためにも通常営業にこだわり、遠刈田の元気を発信していきたい」と力を込める。

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 旅館への避難者が減少し本格的な観光復興に向け動く宮城県の各観光地だが、震災から5カ月経った今でも誘客面での課題は多い。しかし6〜8日に開催された「仙台七夕まつり」では当初予想された175万人を上回る203万人の入り込みを記録したとの明るいニュースもある。7月からは県主導で観光キャンペーンも開始しており、宮城の観光復興への「熱い夏」はこれからが本番だ。



群馬・草津温泉で「感謝祭」盛大に
感謝祭式典の「女神降臨」の場面

 黒岩信忠町長は「草津温泉は温泉と文化を誇りにしている」とし、山田寅幸・同温泉観光協会長、宮崎公雄・草津町議会議長も草津温泉の現状を説いた。大沢正明知事からのメッセージ(代読)では「草津温泉は群馬県の観光推進の原点」とエールが送られた。この日はまさに草津デーに終始した1日だった。

 この感謝祭は、土用の丑の刻(午前2時頃)に入浴すると、1年中無病息災という伝えにより、温泉に感謝する意味で始まった「丑湯(うしゆ)祭」が、現在の「草津温泉感謝祭」として開かれているもの。毎分3万2300リットルの湯をこんこんと湧出する温泉に感謝するこの祭りは、女神らによる源泉くみ上げの儀の式典や浴場への献湯などが行われて毎年大勢の見物客でにぎわっている。

 圧巻は女神に扮ふんした女性らが草津山に降り立った光景で、真っ暗闇の中に浮き上がった女神たちに一斉に拍手が沸いた。

 なお草津温泉は、本社が主催する「にっぽんの温泉100選」で8回連続第1位をキープしている温泉地で、温泉地挙げての一体感で「何としても10回連続の偉業を達成したい」(山田会長)としている。

 来賓として招かれた観光経済新聞社、江口恒明社長も「東日本大震災後、物事の考え方が変わり、ライフスタイルを変えた。原点を見据える必要性もある。草津温泉には一体感がある。にっぽんの温泉100選もがんばって9回、10回連続につないでほしい」とあいさつした。



宮城・秋保温泉、兵庫・有馬温泉で観光PR
秋保温泉が牛タンを振る舞った

 7月31日に兵庫県神戸市の有馬温泉で開かれた「ありま夏祭り」の会場で、有馬温泉と姉妹温泉協定を結ぶ宮城県の秋保温泉が観光PRを実施し、宮城名物の牛タンを来場者に振る舞った。来場者からは牛タンの代金を取らず、東日本大震災の義援金を募った。

 前日にも神戸市内の岡本商店街で観光PRを行い、牛タンを振る舞った。同31日の昼間には三宮センター街などで、有馬温泉で開講される「有馬温泉ゆけむり大学」の参加大学生、有馬温泉のPRレディーの「有馬こゆな十二坊」ら総勢約40人が秋保温泉の街頭PRを手伝った。

 秋保温泉旅館組合の佐藤勘三郎組合長は「まちづくり先進地の視察と東日本大震災からの復興の中間報告で有馬を訪れたが、PRの場を提供していただき感謝している。神戸の人々に宮城県や秋保の状況を知ってもらえれば、多くの人に訪れてもらえる」と話していた。



大阪観光大など、泉州の観光活性化へモニターツアー企画

 大阪観光大学(大阪府熊取町)と熊取町、JTB西日本法人営業部大阪支店による共同事業として、モニターツアー「味わい泉州〜熊取旬の旅2011」が7月23日と8月6日に開催された。

 同大の学生が地元泉州地域を観光で活性化させる「泉州RUSHプロジェクト」の一環で、両日とも完売、約60人が参加した。

 ツアーは天王寺発着の日帰りバスツアー。泉州名物である水なす農家の見学と浅漬け体験を中心に、熊取の伝統産業である藍染体験など泉州の魅力に触れる内容。水なす畑の見学、熊取町内にある国指定の重要文化財である中家住宅での水なす浅漬け体験=写真=の評判が良かった。

 ツアーの行程、アテンドなどは同大の学生が行っており、参加者からは「通常のガイドとは違い、学生たちと交流が持てて楽しかった」との声が聞かれた。JTB西日本の担当者は同大の卒業生だった。



南九州DCのPR隊長に「くいだおれ太郎」
くいだおれ太郎が南九州をPR

 10〜12月に開催される「熊本・宮崎・鹿児島デスティネーションキャンペーン(DC)」の一環として4日、大阪市のホテルグランヴィア大阪で、「くいだおれ太郎PR隊長就任式」が行われた。大阪の飲食店のマスコットキャラクター「くいだおれ太郎」にDCのPRを引き受けてもらった。

 DCは熊本、宮崎、鹿児島3県とJRグループが、九州新幹線全線開通を記念し行う。キャッチフレーズは「のんびり過ごす極上の旅“熊本・宮崎・鹿児島”」。南九州3県が全国に誇る自然、歴史・文化、食、温泉、パワースポット、観光列車などを全国にアピールし誘客を図る。

 くいだおれ太郎は、店舗の閉店後に場所を移したが、現在も観光客の記念撮影スポットとして人気。今後、PR隊長として雑誌などで南九州3県の観光スポットなどを紹介するほか、DC初の大型オープニングイベントとなる「極城の祭典」にも参加する予定。

 極城の祭典は10月8、9日に熊本城で開催され、3県の伝統芸能などが披露される。




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