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観光業界人インタビュー 第2589号≪2010年12月11日(土)発行≫掲載
「挑戦する企業」をアピール

JTB ブランド戦略推進部長
今泉 弘幸氏

──ブランドの専管部署として10月1日に発足した。
 「2012年3月12日にJTBは創立100周年を迎える。社長の田川には、先輩たちが作ってくれたJTBのブランドの価値をさらに高めて、次の100年に向かっていこうという思いが非常に強くある。JTBブランドを知らない人はいないと思うが、今、知ってはいても自分が旅行に行くときに選ぶかは別の問題という状況になっている。JTBを選んでもらうための取り組みの強化が必要だと考えた」

 「社内向けには、JTBブランドの価値を再認識し、さらに自分たちがそれに磨きをかけていくんだと意識を統一して、もう1回元気に立ち上がろうという狙いもある」

──以前よりも「選ばれるブランド」としての力が弱まってきたのはなぜだろう。
 「旅行の形態が変わってきた。旅行会社はパッケージツアーで大きく網をかける。それは日本の旅行規模の拡大にそれなりに貢献してきたが、今お客さまのニーズが多様化しているなかで、それだけではだめだ。国内旅行で言えば宿泊。今まで旅館から預かってきた客室を年間安定的に供給してきたが、このモデルだけではお客さまニーズにこたえきれていない。また、インターネットでサプライヤーが『売りたい』と思っているところを『買いたい』お客さまにいかにスピーディーに結び付けるかも、もっと我々が努力しなければならない。海外旅行でも、既存のパッケージ商品だけでなく、多様化するニーズのなかで個々のお客さまの声にこたえていくことに磨きをかける必要がある」

──どういったブランドイメージを訴えていくのか。
 「JTBのイメージというと相変わらず添乗員が旗を持って引っ張っていくとか、店で切符やパッケージツアーを売っているようなイメージがまだ強いのではないか。だが、今JTBは、狭い意味の旅行ばかりではなくて、お客さまに喜んでもらうためにいろいろなことにチャレンジしている。そのことをアピールしていく必要がある。100周年はいいタイミングだ。これまで100年間お客さまにお世話になったことにきちっと感謝をしつつ、我々は『交流文化事業』に磨きをかけていくということ、交流文化事業とはどういうものかを少し継続的に発信していきたい」

──100周年を機としたブランド強化策を具体的に。
 「来年度からの4年間、『ブランド・プロモーション予算』を構えて、JTBのブランド価値を高めるための取り組みを行っていく。ロゴは替えないが、来年4月からJTBロゴの下に付いているタイラインやブランドメッセージを替える。また、100周年を迎えることについて、例えば名刺に刷り込むなどの告知を行う。12年3月の100歳の誕生日以降に100周年記念事業・記念商品の展開を予定している」

 「ブランド価値をいっぺんにぐんと高める取り組みはたぶんない。地道で継続的な取り組みが結果としてお客さまに評価されていくものだ。その結果として社員の1人ひとりがJTBブランドに対して誇りと自信を持てるようになってくれたらいい」

【いまいずみ・ひろゆき】
1982年、立教大学を卒業後、JTBに入社。2005年10月に総合企画部WEBトラベル新会社設立担当マネージャー、06年4月にi.JTB取締役eコマースカンパニー長、07年6月にJAPANiCAN社長。今年6月にJTB経営企画部経営企画担当部長、10月から現職。

【聞き手・板津昌義】


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